バカにできないアニメの世界 PSYCHO-PASS編
アニメにはSF(Science Fiction)に分類されるものがあり、そのSFも、さらに2種類に分ける事ができます。
現実的なものと非現実的なものです。
非現実的なSFものは、それこそ、アニメの真骨頂という感じがない訳ではありませんが、現実的な物は、現代社会の延長線上にあって、未来を予測するかのようなものもあります。
アニメだからと言って決してバカにできません。
ここで私が紹介したいのが「PSYCHO-PASS(サイコパス)」
≫アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ公式サイト

PSYCHO-PASSでは非常に興味深い世界が描かれています。
その世界は、犯罪者を、実際に犯した罪ではなく、犯罪係数という尺度で内面を計り、犯罪を犯す可能性に対して裁きを下すのです。
シビュラシステムに支配された世界では、街中に監視カメラとドローンがあり、犯罪係数を感知すると、公安員会によって拘束又は処刑されます。
公安の持つ可変式銃「ドミネーター」は誤発砲を防ぐため一定数以上の犯罪係数でないと、作動しない安全装置がついています。
PSYCHO-PASSの世界は非現実的なものでしょうか?
最近ではAIにより、表情、心拍数、発刊量、歩き方などを基に人間の感情を読み取るシステムの開発が進んでいます。
犯罪を犯しそうな人間を事前に察知し、監視することによって、犯罪を未然に防ごうという訳です。
トム・クルーズ主演の映画「MINORITY REPORT(マイノリティ・リポート)」でも、あるシステムによって潜在的な犯罪者をあぶり出し、犯罪を犯す前に逮捕してしまう世界で、犯罪を犯していないトム・クルーズが潜在的犯罪者にされてしまい、逃げながら、システムの欠陥を暴くというストーリーが描かれています。

確かに、殺人などの取り返しがつかないような犯罪においては、犯罪者が事前にわかって、犯罪が未然に防げれば、それに越したことはないですね。
しかし、実際に犯罪が行われていないのであれば、どんなに瞬間的に怒りが爆発し、殺人を犯しそうになったとしても、直前で犯罪を犯さないかもしれません。実際に犯罪を犯していないのであれば、それは犯罪者ではありません。
しかし、システムには犯罪者として認識されてしまうというジレンマが生じてしまうのです。
さらにPSYCHO-PASSの中では、シビュラシステムに検知されないヘルメットが開発され、世の中が混乱したり、そもそも「免罪体質」と呼ばれる、シビュラシステムに検知されない人間が出てきます。
つまり殺人を、何かスウィーツでも食べるかのように楽しむ人間には、犯罪者として検知されることはなく、目前で殺人が行われていたとしても、システム上、そこには犯罪者はおらず、"スウィーツを食べている人間"がいるだけなのです。
高度に発達した社会では、全てをAIに委ねがちですが、実はそこには大きな落とし穴が待っている、という警鐘を鳴らしている側面もあります。
私は日本人として日本で育ったので、幼い頃よりアニメやマンガが身近にありました。
歴史の勉強もまずは、マンガ日本史で学んだし、数えきれない程の知識をアニメやマンガから得ました。
それは中年になった今でも変わりません。
それに最近のアニメは、最初から大人を対象としたものがあり、大人が見ても難解なものもあります。
今までアニメに疎かった人も、軽視せずに是非、見てみて下さい。
そこには知識と教養に溢れた世界が待っていますよ。